硬派か柔軟か

 “柔軟なマジシャン”…。

私が勝手にこのように表現しているのですが、簡単に言えば、その場の雰囲気に合わせたマジックをするマジシャンのことを言います。

その真逆が、演じるマジックも、順番も、セリフも、間も、全てがキッチリ決まっている事を指します。勝手ながら“硬派なマジシャン”と表現してます。

セリフも何もかもが決まっていて、キッチリと演じる人が好きな人も居ますし、マジックをやり始めた人は、こういったタイプのマジシャンを好む人が多いように思います。

硬派なマジシャンで、いいマジシャンになるには、かなりの経験が必要だと思います。

それは決められたマジックやセリフで、お客さんに楽しんでもらわないといけないからです。

このマジックでお客さんがどれ位不思議に感じて、このマジックでお客さんがどれ位楽しむかを、全て把握している必要があります。
そして、自分で組んだ順番で、お客さんの雰囲気を持っていかないといけません。

例えで言うなら、自分で決めた出発点から敷いた線路に全ての人を導き、その全ての人を終着駅に運び、喜んでいただかないといけません。



柔軟なマジシャンで、いいマジシャンになるには、雰囲気を読む力が必要だと思います。

とりあえず最初に演じるマジックは決めておいて、いくつか演じながら後は雰囲気を見て演じるマジックを変えます。
そして、最終的に持って行きたいところに持って行きます。

例えで言うなら、出発の線路を敷き、そこから何本かに枝分かれをして、他の線路も伸ばしながら一番乗客の多い線路をメインにして、全ての線路を1つの駅に導き、喜んでいただかないといけません。



 どちらも難しいのは確かですが、難しさばかり気にしていては、何も始まりません。


自分がどちらを目指したいか、どちらに向いているかなど、ひとつの例として参考になればいいですし、もし手助けになったなら幸いです。


どちらも極めれば、最高のエンターティナーになるでしょう。










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